診療科のご案内

脳神経外科

ご挨拶

松野 彰

国際医療福祉大学 脳神経外科 統括主任教授

松野 彰

2021年4月に統括主任教授に就任いたしました。これまで、間脳下垂体腫瘍の経鼻内視鏡手術、悪性脳腫瘍の手術・放射線化学療法、髄膜者や聴神経腫瘍などの良性脳腫瘍の手術、脳血管障害の手術・血管内治療、頭部外傷の手術と集中治療、頭痛の病態と治療に取り組んできました。患者さんの病態を的確に把握し最適な治療を提供できるように努めております。
当科では、脳血管障害・脳腫瘍・下垂体腫瘍・頭部外傷・てんかん・機能的疾患(痛みや不随意運動)・小児脳疾患・脊椎脊髄疾患・末梢神経疾患など、脳・脊髄・末梢神経系のあらゆる疾患に対応しております。また、最新の医療機器も導入しており、最先端の医療をご提供できる準備ができております。
また、千葉県・東京都・神奈川県・埼玉県・茨城県・静岡県・沖縄県・北海道など全国の病院と連携しているため、地域医療への貢献とともに、全国各地から患者さんを受け入れられる体制も整っております。
海外との医学交流にも注力しており、特に中国・台湾・韓国・フィリピン・インドネシア・インド・ウズベキスタン・ロシア・フランスなどと学術的な交流を行い、これまでも留学生を受け入れ、インバウンドの患者さんの受け入れを行う体制も整備いたしました。
国内外の患者さんの健康のため精一杯努力する所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

河島 雅到

脳神経外科部長
国際医療福祉大学 医学部 脳神経外科学主任教授

河島 雅到

当科の医師は、全員が、一線級の日本脳神経外科学会専門医です。患者様にご満足いただける治療を提供すべく、全国各地からここに集いました。
中枢神経系の多岐にわたる疾患に対応いたしますが、特に力を注いでいるのが脳血管障害の外科治療です。脳卒中専門医、日本脳卒中の外科技術指導医、日本脳神経血管内治療学会専門医がチームとして急性期から慢性期までの脳血管障害治療に取り組んでいます。また、当院では脳神経内科、リハビリテーション科と協力して脳卒中センターを設置しており、脳卒中の集約的治療を実現しています。
その他、脳腫瘍、頭部外傷、機能神経外科(てんかんや痛みの治療)、脊髄疾患なども経験豊富な医師が最先端の医療設備・機器を用いて治療にあたります。
「患者様第一」をモットーに、常に患者様の視点に立って治療方針を検討してまいります。脳神経疾患でお困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

脳卒中センター

診療概要

脳神経内科、リハビリテーション科、救急科と密に連携し、脳血管障害・脳腫瘍・下垂体腫瘍・頭部外傷・てんかん・機能的疾患(痛みや不随意運動)・小児脳疾患・脊椎脊髄疾患・末梢神経疾患など、脳・脊髄・末梢神経系のあらゆる疾患に対応しております。また最新の医療機器を導入しており、最先端の医療を提供できる準備ができております。

地域医療への貢献と日本全国および海外との医療連携

千葉県・東京都・神奈川県・埼玉県・茨城県・静岡県・沖縄県・北海道など全国の病院と連携しており、地域医療への貢献と共に、日本全国各地から患者さんを受け入れております。
海外との医学交流、特に中国・台湾・韓国・フィリピン・インドネシア・インド・ウズベキスタン・ロシア・フランスなどと学術的な交流を行い、これまでも留学生を受け入れ、インバウンドの患者さんの受け入れを行う体制が整っております。

自由な行動を取り戻すことをめざします

脳や脊髄を含む中枢神経系は、人間が物事を感じ、判断し、適切に行動するための重要な器官です。
これらが侵害されると、人間として自由な行動が制限されてしまいます。
しっかり治して、元の正常な状態に戻すことをめざします。

患者様の負担をできるだけ少なく

脳卒中の治療では、一般的な開頭手術だけでなく、患者様への負担を低減する(低侵襲)脳血管内治療も取り入れます。 脳動脈瘤へのコイル塞栓術、脳血管狭窄へのステント治療などを積極的に行います。

主な対象疾患

特長

脳神経疾患における各分野の専門医が在籍し、赤ちゃんからご年配の方までの『脳』の疾患に対し、適切な治療をおこないます。

専門分野

認知症、下垂体ホルモン、脳血管内治療、良性腫瘍、頭部外傷、小児脳神経疾患

小児脳神経外科

頭部外傷

お子さんのいるご家庭で最も脳神経外科と関わる可能性が高いのは頭部外傷かもしれません。頭皮はとても血流が多いため小さな傷であってもかなり出血しますが、もし出血していても慌てずにまず圧迫をしてください。傷がパックリ開いているようであれば縫合が必要なのでまず当院に連絡をしてください。出血がなくお子さんがいつもと同じ様子であった場合は、よく様子を見るだけで問題はないはずです。ただし判断が難しい場合や心配な場合は、まずは電話で問い合わせをしてください。1日は慎重な経過観察が必要ですが、それ以降問題なければ心配ないことが多いです。もし呼びかけに反応しない、寝込んでしまう、てんかん(ひきつけ)を起こす、頭部を打撲した時に一時的に意識を失ったなどがあった場合、診察が必要です。当院へ連絡いただき、救急車で来院すべきかご自身で来られるかのご相談もしてください。交通事故、転落などの重傷頭部外傷に関しては頭部外傷を専門医が担当します。

スポーツ脳振盪

部活などスポーツ中や学校で遊んでいて頭部を打撲することがあると思います。脳振盪という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、最近の研究で脳振盪はこれまで考えていたより注意が必要な外傷であることがわかってきました。受傷直後から復帰までスポーツ脳振盪の専門医が担当します。

水頭症

水頭症とは病態を総称したものであり、小児脳神経外科領域で対応する水頭症は図(胎児水頭症ガイドラインより)の通りさまざまな原因によって発症します。そのために発症による日常生活動作の状態もさまざまです。

水頭症

水頭症

2つの画像のキャプション:胎児水頭症診断と治療ガイドライン(2010)より抜粋
水頭症はどのような状態であっても発症しているこどもの発達の足かせとなるため、治療が必要です。現在水頭症の治療には2つの方法があります。ひとつは「シャント術」と言われる短絡術、もうひとつは神経内視鏡を用いた「第三脳室底開窓術」です。

シャント術

余分な髄液を身体の他の部分に誘導して吸収を促す方法です。誘導する部位は腹腔が現在第一の選択肢となります。腹腔への誘導が難しい場合は心房や胸腔に誘導します。

シャント術

神経内視鏡を用いた第三脳室底開窓術

頭蓋骨に小さな穴をあけて脳室に内視鏡を挿入し、脳室と脳槽を隔てる薄い膜に孔をあけ新しい髄液の通路を作成し圧の不均衡を改善する手術です。

神経内視鏡を用いた第三脳室底開窓術

神経内視鏡を用いた第三脳室底開窓術

シャントなどの異物を体内へ入れる必要はない利点はるものの、年齢や水頭症の原因によって効果が制限されます。手術方法の選択に関しては十分な検討が必要です。

シャント術、神経内視鏡を用いた第三脳室底開窓術のいずれの治療方法も時間が経ってもトラブルが生じることがあるので長期の通院が必要になります。

頭蓋内嚢胞疾患(くも膜嚢胞など)

脳の中に袋状に液体がたまる頭蓋内嚢胞(のうほう)が生じると脳を圧迫することがあります。また、部位によっては水頭症を併発します。主な治療法は神経内視鏡を用いて嚢胞と正常な髄液腔に交通をつけます。くも膜嚢胞はさまざまな部位に生じます。最もよく見るものが「中頭蓋窩くも膜嚢胞」で、拡大傾向を示すもの、頭痛などの症状があるものは手術を行います。また手術をしなくても良い場合もあります。「鞍上部くも膜嚢胞」のように嚢胞が髄液の流れを阻害してしまうと水頭症をきたしますのでこのような場合は手術が必要です。

中頭蓋窩くも膜嚢胞

中頭蓋窩くも膜嚢胞

鞍上部くも膜嚢胞

鞍上部くも膜嚢胞

神経管閉鎖不全症

赤ちゃんの神経系は胎生4週頃の比較的早い時期にできあがります。神経板が筒のようになって神経管に変化し脳と脊髄を形成しますが、この時期に問題が生じることがあります。脳側で生じると「脳瘤」、脊髄側で生じると「二分脊椎」と呼ばれる病態が出現します。

脳瘤(のうりゅう)

頭側で神経管閉鎖不全症が生じ、皮膚の形成が見られず脳や硬膜がそのまま露出してしまう場合はいわゆる「無脳症」と呼ばれる病態となり、出生後あまり生存することがないため残念ながら治療の対象とはなりません。皮膚で覆われている場合は、頭蓋内と頭蓋外の交通を遮断するために手術が必要となります。日本人は後頭部に多く見られます。「脳瘤」は瘤内に髄液のみ存在するか、脳組織もしくは脳室まで飛び出してしまうかで重症度が異なります。また瘤が大きいと閉鎖術後に水頭症になる可能性も存在します。頭蓋骨に欠損部も存在しますが500円硬貨の大きさを目安に欠損部の手術をおこないます。欠損部が小さい場合は手術をおこなう方がリスクが高い可能性があるからです。

後頭部脳瘤

後頭部脳瘤
二分脊椎

脊髄側で神経管の閉鎖不全が生じると二分脊椎と呼ばれる病態となります。神経系がそのまま露出している場合は脊髄側で神経管の閉鎖不全が生じると二分脊椎と呼ばれる病態となります。神経系がそのまま露出している場合は「脊髄髄膜瘤」と呼ばれ、感染を防ぐために出生後48時間で閉鎖術を行う必要があります。残念ながら手術を行なっても下肢の障害と膀胱直腸障害を避けることはできません。また脊髄髄膜瘤は高い確率で水頭症を併発するため脳室腹腔シャント術が必要となります。場合によっては何度も手術が必要となることもあります。

脊髄髄膜瘤

脊髄髄膜瘤

皮膚に覆われている場合は脊髄と皮膚の脂肪が癒着してしまう「脊髄脂肪腫」という状態となります。脊髄脂肪腫は脊髄を下方に係留してしまいます。出生後は症状がなくても身長が伸びることによって脊髄が引き伸ばされてしまうため、「脊髄係留症候群」と呼ばれる下肢の痛みや変形、膀胱直腸障害が生じることがあります。そのため予防的にこの係留を解除するための手術を行うことがあります。脊髄脂肪腫は脂肪と脊髄の癒合が非常に複雑な場合もあり、症状がない状態で脂肪腫と脊髄を剥離することで合併症を生じてしまうこともあります。また自然歴といって手術をしなかった場合、どの程度の確率で症状が出るか未だ分からないこともあります。そのため、それぞれのケースで手術をするべきか、症状が出てから手術を考慮すべきか検討する必要があります。脊髄脂肪腫はおしりから腰のあたりに皮膚病変が見られることがあり、小さなえくぼからそれこそ尻尾のようなものまでさまざまです。健診で産科・小児科の先生に指摘された場合、もしくはお母様お父様が気になる場合、いずれもまず当科受診をご検討ください。

脊髄脂肪腫

頭蓋骨縫合早期癒合症

頭のかたちが気になったことはありますか? 小児科の先生の90%以上は健診の際頭の形に関してご家族から相談を受けたことがあると言われています。頭蓋骨縫合早期癒合症は日本では比較的まれな疾患と言われておりますが、早期の診断が有効な治療につながります。頭蓋骨縫合早期癒合症には頭の形のみが影響を受ける「非症候群性頭蓋骨縫合早期癒合症」と顔面を含め他の部位まで影響を受ける「症候群性早期癒合症」が存在します。非症候群性の場合は1つまたは2つの縫合が影響を受けることが多く、どの縫合が癒合するかにより特徴的な頭の形態をとります。頭蓋骨縫合早期癒合症の診断のためだけではなく、いわゆる「向きぐせ」と呼ばれる病気ではない頭の形状を、ヘルメットを使用し良いかたちに誘導する治療をご提案します。

頭蓋骨縫合早期癒合症

非症候群性頭蓋骨縫合早期癒合症は1つもしくは2つの縫合が癒合すると特徴的な形態を示します。

脳血管障害

小児の脳血管障害は成人と比較して多くは見られません。その中で比較的良く見られる疾患に関して簡単に解説します。

早産児脳室内出血

色々な理由で早めに出生した赤ちゃんの脳は未熟で様々な刺激に対して脆弱であり、脳室内出血を生じることがあります。おそらくこの出血が良く見られる時期は赤ちゃんは新生児ICU(NICU)でケアをされているはずですから新生児科の先生が注意深く観察し診断します。このうち一部の赤ちゃんが脳室腹腔シャントが必要となる水頭症を併発することがあります。

脳動静脈奇形(AVM)

脳動静脈奇形(arteriovenous malformation: AVM)は脳の動脈と静脈が毛細血管を介さずに直接交通してしまう先天性の病気の1つで発生頻度は人口10万人あたり1−2人と言われており、20歳以下となると0.01-0.028%程度と言われる非常に稀な病気です。しかし小児の脳出血の原因の最多と言われており、もし小児で頭蓋内出血が見られた場合はこの疾患を念頭に入れて治療を進める必要があります。またてんかんの原因となることもあります。破裂して出血している場合や破裂してない場合、AVMの大きさや血流の動態によって治療の適応が異なり、また開頭をする外科治療、血管内治療、定位放射線治療と様々な選択肢があるので最善の治療を提供するため当科でも各専門の医師が合同で治療を行います。

もやもや病

日本で発見され、東アジアに多く見られる病気です。当院では河島教授によるもやもや病外来を開設しております。小児のもやもや病は脳虚血による神経症状が多く見られます。意識障害、脱力発作、けいれんなどで発症します。典型的には楽器を吹いたり、食事で熱いものを吹いて冷ますなど過呼吸に関与した行動で発作が生じます。手術は頭皮を栄養する血管を脳の血管につなぐ直接バイパス術と頭部の筋肉を脳表に置く間接バイパス術があります。精査を行なったのちに最適の治療を当科のチームでご提案させていただきます。

そのほかにも小児の脳血管障害にはてんかんの原因となる海綿状血管腫。外傷や感染によって生じる脳動脈瘤。さらに出血性素因によって生じる頭蓋内出血(特発性血小板減少性紫斑病、血友病、ビタミンK欠乏症)が存在します。出血素因がある場合は小児科と協力しながら原疾患の治療を行います。

てんかん

てんかん発作は脳が病的なあるいは同期性の神経活動による一過性の症候もしくは症状と定義されます。当院ではてんかんセンターで赤松 直樹教授を中心として小児科・神経内科・精神科・脳神経外科が協力して治療にあたります。近年てんかんの外科が注目されており、抗てんかん薬だけではコントロールできないてんかんの発作軽減や、抗てんかん薬を減量、中止を目標にした手術が可能となります。手術の適応があった場合は、当グループの専門医を招聘し手術を行います。

脳腫瘍

我が国の小児脳腫瘍は、成人を含め全体の7.4%を占めるに過ぎませんが、反対に小児の領域から見ると脳腫瘍は白血病についで2位の頻度に位置し、死亡原因の第1位となっています。脳神経外科学会の腫瘍統計調査では頻度の多い順に星細胞腫(astrocytoma), 胚細胞腫(germ cell tumor), 髄芽腫(medulloblastoma), 頭蓋咽頭腫(craniopharyingioma), 上衣腫(ependymoma)でありこれらで全体の70%を占めます。それぞれの腫瘍は手術だけではなく、化学療法や放射線治療など多彩な好発年齢、好発部位、症状に合わせて治療方法が検討されます。我々の連携施設である茨城県立こども病院(小児がん拠点病院)と連携して治療に当たります。またより専門性の高い治療が必要な場合はそれぞれの疾患の得意な病院への紹介も行います。

機能性疾患

三叉神経痛に対する治療

三叉神経痛の特徴

顔の痛みとしてまずあげられるのが三叉神経痛です。三叉神経痛の特長として以下の3つがあげられます。

  1. 右もしくは左―側顔面の痛みである。
  2. 発作的に電気が走るような痛みが起こる。
  3. 洗顔、食事、会話などで誘発される。

よく歯が痛いということで歯科を受診される方も多いです。本疾患は痛みだけでなく、食事ができずに体重が減少したり、余病を併発したりすることもしばしば見受けられます。

診断

診断はまずは特長的な痛みを備えているかということを問診で確認します。次にMRIを用いて三叉神経周囲を細かく調べます。

原因

原因の90%以上は神経に対し血管が圧迫することです。

治療

三叉神経痛の治療法として薬物治療、神経ブロック、放射線治療、手術があります。手術は神経を圧迫する血管を移動させるというもので根本的な治療といえます。
手術は微小血管減圧術といいます。耳の後ろを5cm切開し、頭蓋骨に500円玉程度の穴をあけます。この時髪の毛はほんの少しだけ剃るのみです。ここから手術用顕微鏡を用いて圧迫血管を移動させます。手術時間は1時間20分、全身麻酔で行い、手術翌日から自由に動くことができます。入院期間は10日程度です。本手術の合併症として難聴が挙げられますが、予防のために手術中、聴性脳幹反応を持続的に確認しながら手術を進め、難聴を防いでいます。

結果

ほとんどの患者さんから、早く手術をしておけばよかったという感想をいただいています。

片側顔面痙攣に対する治療

片側顔面痙攣の特長
  1. 右もしくは左―側顔面が無意識に動く。
  2. 片側顔面が突っ張るようといわれる方もあります。
  3. 通常眼の周囲より始まり徐々に口角に広がってゆきます。
  4. 耳鳴りを伴うことがあります。
診断、原因、治療、結果

三叉神経痛と基本的に同様です。顔面神経に対する血管の圧迫が原因となることがほとんどで、微小血管減圧術が有効です。他の治療としてはボトックス治療があります。
顔がズキズキ痛む方、意識しないのに勝手に顔面がピクピク動く方はぜひご受診ください。まずはお話をうかがってからMRI検査等を進めさせていただきます。また他院で診断された方のセカンドオピニオンも受け付けております。

微小血管減圧術

微小血管減圧術

微小血管減圧術

正常圧水頭症外来

当科では正常圧水頭症の治療にも力を入れています。正常圧水頭症は、頭の中の水(髄液)の流れが悪くなることによって起こります。流れが悪くなると、歩行障害(歩くのが遅く、歩幅が小刻みになり、すり足のような歩き方になる)、認知機能障害(物忘れや自発性の低下)、排尿障害(尿漏れ)などがおこります。検査を行い、正常圧水頭症と診断されれば、たまってしまった髄液を他の場所へ逃がし体の中に循環させる治療(髄液シャント術)を行い、症状を軽快させます。
当科では正常圧水頭症の手術を100例以上経験した医師が術後のリハビリテーションも含め、検査・治療にあたります。

脳室-腹腔シャント術

脳室-腹腔シャント術
(V-Pシャント)

脳内の髄液をお腹に流す

腰椎-腹腔シャント術

腰椎-腹腔シャント術
(L-Pシャント)

背骨の中にある髄液をお腹に流す

MRIの水平断と冠状断を示します

MRIの水平断と冠状断を示します

冠状断で円蓋部の脳溝が閉じているのが特長です

冠状断で円蓋部の脳溝が
閉じているのが特長です

実施日:毎週水曜日・午後
ご予約:予約センター
TEL:0476-35-5576(月~土 8:30~17:30 ※除祝日)

慢性頭痛

日本頭痛学会専門医・指導医が担当します。慢性頭痛には、片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛、後頭神経痛などがあります。以下は、日本頭痛学会名誉会員(元理事)・日本頭痛協会名誉代表理事・間中病院名誉院長・頭痛大学学長の間中信也先生監修のもと、松野医師がまとめた解説です。

井上ひさしの戯曲『頭痛肩こり 樋口一葉』の一節、「痛むんです、頭が。割れそうなんです。だれか玄翁(げんのう)でこの頭を断ち割ってください」(玄翁とは金槌のこと)。また、疋田達子の談話(出典:作田学. モダンフィジシャン 2000;20:791-796)、「路地のどぶ板をがたがた踏んで行って(樋口一葉を)お訪ねしますと、池の見えるところへ机を持ち出して、「頭痛が激しくてたまらないものですから」と鉢巻をして書いておられたこともありました。」。「ひどく肩が凝ってこれできびしく打っても感じないほどです」と文鎮を取ってみせられたこともありました。
以上は、間中信也先生の頭痛大学ホームページより引用しました、樋口一葉の頭痛です。樋口一葉は、頑固な片頭痛もちだったことがわかります。間中先生によりますと、頭痛もちの偉人として知られているのは、ベートーベン、ハイドン、ショパン、ジャンヌダルク、ゴッホ、ダーウィン、グラハム・ベル、アインシュタインら、日本人では、石川啄木、樋口一葉、芥川龍之介、五木寛之ら、ということです。ちなみにベートーベンの交響曲第5番運命の出だし、ダダダダーンは、ベートーベンの片頭痛の発作(雷鳴)を表したものということです。
このように偉人を悩ませた片頭痛ですが、これまで頭痛発作時の治療に力が注がれてきました。片頭痛の発作時治療には、現在、トリプタン製剤がゴールデンスタンダードとなっています。トリプタン製剤は大変効果の高い薬ですが、中には頻回に服用してしまう方がおられます。ここで気をつけなくてはならないのは、薬物乱用頭痛です。薬物乱用頭痛は、頭痛薬の乱用により、脳の痛み中枢が敏感になり、軽度の刺激を痛みと感じてしまう状態です。このような薬物乱用頭痛もふまえ、近年片頭痛の予防に新たな視点が注がれるようになってきました。生活習慣の改善としては、1. 寝過ぎ、寝不足を避ける(適切な睡眠時間6.5~8.5時間)、2. 低血糖をさけ、朝食をきちんととる、3. マグネシウム、ビタミン類を豊富に摂る(野菜、海草、豆類)、4. まぶしさ・うるさい音を避ける、サングラスをかける(赤系がよい)、5. 外出、ショッピングを手短かにする、6. たべもの(思い当たるものがあれば避ける): 赤ワイン、アルコール、チョコレート、チーズ、亜硝酸塩(ホットドック)、これらをできるだけ控える、などがおすすめです。片頭痛の予防薬には、カルシウム拮抗薬、抗うつ薬、β遮断薬、抗てんかん薬、ガルカネズマブなどがありますので、主治医の先生にご相談ください。予防薬を毎日服薬すると、頭痛の頻度や程度が軽減します。予防薬には即効性はないため、効果が現れるまでに時間(2~3か月)がかかることを理解する必要があります。片頭痛患者は、国内に推定で840万人いるといわれていますが、継続的受診率はわずか3%です。片頭痛により74%の方が、生活に支障をきたしており、健康寿命短縮は2年、年間の経済損失は2880億円といわれています。片頭痛を適切に予防することがいかに大切か実感できます。最後に子どもの片頭痛について触れておきます。子どもの片頭痛は、おとなの頭痛と様相が異なり、正しく認識されておらず、周期性嘔吐症、腹痛発作、めまい発作の一部についても片頭痛の一種と考えられます。小児の片頭痛は精神的なものと誤解されやすいので注意が必要です。

【保健室で】
– 生徒「頭が痛いので暗い静かなところで休みたい」
– 先生「そんな暗い性格だから頭が痛いのです、明るいところで走ってきなさい」
これでは片頭痛が悪化する一方です。

【家庭で】
– 母親が「もう夏休みは終わり」と布団を剥がした。
– しかし子供は、片頭痛で頭を持ち上げられなかった。
– そして学校に行けなくなった。

最後に、京都にあります、三十三間堂は、頭痛に悩まされた後白河法皇の頭痛平癒を願って建立されたそうです。

これまでの予防薬で効果が不十分な片頭痛の患者さんには、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を抑制するお薬(注射薬)が新たに使えるようになりました。

痙縮(けいしゅく)

脳卒中・脳腫瘍・重症頭部外傷・脊髄損傷などの後遺症として、四肢の筋緊張が強くなった状態で、リハビリテーションに著しい障害をきたします。

このような病態では以下の2つの治療方法が有効で、いずれも当科で行っています。

1.髄腔内バクロフェン投与
2.ボツリヌス療法
以下のようなチェックリストがありますので、症状をご確認ください。もし気になることがおありでしたらお気軽にご受診ください。

痙縮

痙縮

外来医師担当表

曜日 午前 午後
初診 一般外来 専門外来 初診 一般外来 専門外来
初診担当医 河島
末廣
田中(2,4)
正常圧水頭症
(田中(2,4))
初診担当医 松野
若宮
スポーツ脳震盪
(末廣)
初診担当医 末廣
下地
若宮
もやもや病(河島) 初診担当医 山根
初診担当医 末廣
道脇
脳血管内治療(山根)
化学療法(若宮)
初診担当医 下地
若宮
初診担当医 初診担当医
初診担当医 田中 初診担当医 道脇
若宮
脳腫瘍(田部井)
初診担当医 初診担当医
【特記事項】
  • ※予約・紹介患者様優先となりますので、予約外で受診ご希望の方は電話でのお問い合わせをお勧めします。
  • ※担当医師が変更となる場合や診療を休止する場合があります。お電話でお問い合わせください。

その他の科の外来医師担当表はこちら

JNDデータベース事業についてのご案内

当科では、「日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)」に協力しています。
JNDとは入院された患者様の臨床データを解析させて頂き、脳神経外科医療の質の評価に役立てることが目的です。
本事業への参加は、患者さんの自由な意思に基づくものであり、参加されたくない場合は、データ登録を拒否することも可能です。なお、登録を希望されなかったことで、日常の診療等において患者様が不利益を被ることは一切ございません。

詳細については、下記PDFをご確認ください。
本院で脳神経外科治療を受けた患者様へのお願い

ご予約・お問い合わせ

●一般診療のご予約・変更(予約センター)
TEL:0476-35-5576
(月曜日~土曜日 8:30~17:30 ※祝日は除く)

●その他のお問い合わせ
TEL:0476-35-5600(代表)

●海外からのご予約
日本語≫
TEL:+81-476-35-5600
(月曜日~土曜日 8:30~17:30 ※祝日は除く)
英語、中国語
E-mail:med.info@iuhw.ac.jp