診療科・部門のご案内

腎臓内科・血液浄化(透析)センター

腎臓病発症初期の治療から末期腎不全に対する透析医療まで、腎疾患全般に対して一貫した管理のもと、高いレベルの治療をご提供します。

世界トップレベルの診断・治療

急性腎障害、慢性糸球体腎炎、慢性腎臓病に対する腎病理診断を的確に行い、エビデンスを重視して患者様に適した治療を行います。
急性・慢性腎不全に対しては血液透析ばかりでなく、あらゆる血液浄化療法においても、トップレベルの技術で実施します。
特に高齢者にもやさしい透析を心がけ、患者様・ご家族に寄り添った透析を行います。

療法選択には十分な説明を

「腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)」が必要な患者様に対しては、療法選択について各療法を詳細に説明いたします。
さらに、模型によるご説明の追加や、透析室における治療を実際に見学いただくことも可能です。ご家族から腎臓の提供を受ける「生体腎移植」についても、腎泌尿器外科と協力しながら、実施できる体制を整備しています。特に、「腹膜透析」や「腎移植」を希望される方、詳細についての説明を希望される方は、毎週火曜日・午後の「腎代替療法選択外来」までご相談ください。

迅速な対応ができる協力体制

内シャント作成、腹膜透析カテーテル留置、内シャントPTAなども外科系診療科と連携のうえ一貫して実施し、タイミングを逃さない的確な診断と治療を可能とする、質の高い医療をご提供します。

主な対象疾患

原発性糸球体腎炎 / 糖尿病・高血圧・膠原病などによる二次性腎疾患 / 多発性嚢胞腎を含めた遺伝性腎疾患 / 急性腎障害、間質性腎炎などの腎疾患ならびに急性・慢性腎不全の透析療法やその合併症 など

特長

病院棟2Fに、広さ986㎡の血液浄化(透析)センターを開設しました。透析装置は、段階的に50台まで増設する予定です。よりよい環境のもと、快適に治療を受けていただけるように努めます。

1. 快適な治療環境
広々とした透析室で、ゆったりと治療を受けていただきます。各ベッドにはアーム液晶テレビを設置するなど、より快適に過ごしていただけるように環境を整えます。
2. 地域施設と連携したメンテナンス体制

腎病理診断を的確に行い、エビデンスを重視した治療を行うことで、腎機能悪化や透析への進展を最大限抑止します。透析や腎移植が必要となった患者様に対しては、最適な療法を患者様やご家族とともに考えたうえで、患者様の療法の選択をサポートします。

また、地域施設と連携したサポート体制を整備し、緻密で効率的な腎疾患管理を実現します。

3. 血液透析

当センターの透析装置にはフューチャーネットシステムという最先端の情報通信システムが搭載されています。これにより透析情報や血圧などの重要な身体状況がリアルタイムで電子カルテに自動的に記録され、透析スタッフ間の情報共有が迅速・正確・効率的に可能となります。これらの最先端設備と経験豊富なスタッフの一致団結したチームワークの融合により、チーム医療を今までにない高いレベルで実現し、快適な透析療法をご提供します。

4. 腹膜透析(CAPD)診療室

CAPD(詳細はコラム参照)診療を効率的かつ衛生的に、最先端の設備で行うことができるCAPD室を設置しています。各CAPD室にはカテーテル感染を即座に診断できる高精度の超音波装置を備え、専門の看護師や臨床工学技士と連携して、国際的にもトップレベルのチーム医療、「チームで支える腹膜透析」をご提供します。

5. 人工膵臓装置

人工膵臓とは、リアルタイムに血中の血糖値をモニタリングし、得られた血糖値情報に基づきインスリンおよびグルコースを静脈注入して糖尿病の治療・検査や術中、術後、集中・救命救急治療領域における血糖管理を行う装置です。

この装置を所有するのは千葉県内には数施設に限られており、重症な糖尿病患者様の透析や手術後のむずかしい血糖管理を正確かつ安全に確実に行うことができます。

最先端の腹膜透析

1. 腹膜透析とは

在宅透析の一種である腹膜透析(CAPD)は残腎機能の温存にすぐれ、利点の多い診療として最近見直されています。働き盛りの世代には身体拘束を最小化して、経済活動を支援します。超高齢社会におけるご高齢者透析には、血圧の変動が少なく通院による身体負担を少なくできるなど、多くの利点を有します。

当科のチームは経験豊富な医師、看護師はもちろん、臨床工学技士も積極的にCAPD診療に参加し、特に機械面でのサポートも充実しています。

2. 異次元のレベルでのCAPDチーム医療の実践

当科では、高度に発展した自動腹膜装置(APD)をフル活用することで、在宅での治療を患者様とご家族を含むチームで支えます。クラウドサービスに自動的に記録される治療状況や除水量などを、場所、時間を問わず共有することで、従来とはレベルの異なるチーム医療が可能になります。

次世代型のCAPD装置からクラウドシステムに治療データが送信され、蓄積されます。図の点線枠内のCAPDチームはそのデータを共有し、適宜迅速に対応します。たとえば「具合がわるくなった」という情報をスタッフが察知したら、センターとなる当院のCAPDチームに連絡し、最寄りの訪問看護ステーションや当院の訪問チームなどが迅速に対応するというものです。

また同時にクラウドに蓄積されたデータをもとに患者様、ご家族、医療スタッフ向けの教材を作成し、自己管理やその指導に生かし、質の高い自己管理を実現できるように最大限サポートします。

異次元CAPDチーム医療

異次元CAPDチーム医療

患者様に寄り添った「のう胞腎」診療

1. 多発性嚢胞(のうほう)腎とは

腎臓に嚢胞(水がたまった袋)が多発する疾患はいくつかありますが、常染色体顕(優)性多発性嚢胞腎(ADPKDと略されます)もそのひとつです。ADPKDは遺伝性の疾患で、加齢と共に嚢胞が大きくなることで、40歳頃から腎機能が低下し始め、70歳までに約半数が末期腎不全に至るとされます。日本では約3万人の患者様がいるとされ、透析導入患者様の約3%を占めており、2015年1月より国の指定難病になりました。

治療としては、血圧管理や食塩制限が重要で、さらに新規治療薬としてトルバプタンの効果が確立されています。ADPKDの主な合併症として脳動脈瘤、心臓弁膜症、肝嚢胞などがあり、定期検査および必要に応じた治療を行います。当院では経験豊富な医師が患者様に寄り添いながら、これらの診療を進めています。

多発性嚢胞腎が疑われる方、診療を希望される方は、金曜日第2・4週の「のう胞腎外来」までご相談ください。

2. 新規治療薬「トルバプタン」の適切な使用

腎臓の嚢胞が大きくなる原因のひとつに、バソプレシンというホルモンがあります。「トルバプタン」はバソプレシンの効果を抑制することで、嚢胞が大きくなる速度を抑え、腎機能の低下を緩やかにする薬です。早期に使用すれば、末期腎不全までの期間を約7年も延長できるとされています(場合によっては、透析の回避も可能と考えられます)。

一方で、トルバプタンには強い利尿作用(おしっこを出す作用)があり、こまめに水分を摂取していただく必要があります。特に投与初期は効果が強く出るため、使用開始の際は原則として2泊3日の入院が必要です。またこれらの副作用により、残念ながらトルバプタンの使用を中止してしまう患者様もおられます。

当院では、①患者様の生活に合わせた服用量・タイミングの提案、②飲水負担を減らすための食塩制限の工夫、③飲水負担の軽減を目的とした併用薬の提案、などを通して、患者様に寄り添った、持続可能なトルバプタン治療を行っています。

診療実績

2020年 2021年 2022年
外来患者 2,385 4,778 7,012
新入院患者 92 212 213
平均在院日数 17.8 14.9 14.7
紹介数 126 186 173
逆紹介数 32 97 141
腹膜透析導入 4 15 13
血液透析導入 14 24 31
腎生検 42 47 26

2022年度 腎生検疾患割合

外来医師担当表

曜日 午前 午後
内山 鷲田
千種
鷲田 上田(第2.4週)
内山(腎代替療法選択外来)
鷲田(腹膜透析/第2.4週)
杉田
千種
杉田
内山(のう胞腎外来/第2.4週)
鷲田
伊藤
細谷(第2.4週)
杉田(第1.3.5週)
【特記事項】
  • ※予約・紹介患者様優先となりますので、予約外で受診ご希望の方は電話でのお問い合わせをお勧めします。
  • ※担当医師が変更となる場合や診療を休止する場合があります。お電話でお問い合わせください。

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ご予約・お問い合わせ

●一般診療のご予約・変更(予約センター)
TEL:0476-35-5576
(月曜日~土曜日 8:30~17:30 ※祝日は除く)

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