診療科・部門のご案内

血液内科

悪性リンパ腫や急性・慢性白血病、多発性骨髄腫、貧血、出血傾向など、さまざまな血液・リンパ組織の疾患に対して幅広く診療します。

化学療法に加え、分子標的薬を組み入れた新しい治療を行います

多岐におよぶ疾患、病型、治療に伴う副作用など、病態を正確に把握して、適切な薬剤を選択するとともに、患者様の背景やご希望を考慮した最適な治療計画を立てて治療することを心がけます。
従来からの抗がん剤治療に加えて、新しい分子標的薬(特定の分子を狙い撃ちする薬剤)を積極的に取り入れることで、さらなる治療実績の向上をめざします。

国内有数の無菌治療環境を備えています

白血病や悪性リンパ腫などの病気に対して強力な抗がん剤治療を行うと、血液中の白血球が一時的に減少し、感染症の危険性が増してしまいます。当院は無菌治療室36床を有する国内でも有数の無菌治療環境を備え、最大限の感染防御対策のもとで治療を行います。

同種造血幹細胞移植に積極的に取り組みます

同種造血幹細胞移植とは、化学療法では治癒が困難な白血病や、正常な血液をつくることが困難な疾患の患者様に対して、抗がん剤や全身放射線照射を行った後に健康な提供者の造血幹細胞を移植して病気を治し、正常な血液をつくることができるようにする治療法です。当科は最新の無菌治療環境のもとで、積極的に移植に取り組みます。

主な対象疾患

悪性リンパ腫、急性白血病・骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、貧血、出血性疾患 など

特長

次のような場合は、お気軽に当科をご受診ください。
  • 首やわきの下のリンパ節が腫れてきた
  • かかりつけの先生から「リンパ腫の可能性がある」などの理由から精密検査を勧められた
  • 健康診断などで「白血球が少ない」、「白血球が多い」、「貧血がある」、「血小板が少ない」ことを指摘された
1. 悪性リンパ腫
有効な薬剤の出現により治療実績が大きく向上しています。悪性リンパ腫には多くの種類があり、それぞれに治療方針が異なります。病変の一部を採取して正確な病理組織診断を行うとともに、PET-CT検査などを行って病期を分類し、最適な抗がん剤による化学療法、分子標的療法(リツキシマブなど)、放射線治療などを行います。

悪性リンパ腫治療前後でのPET-CT画像

悪性リンパ腫治療前後でのPET-CT画像
2. 急性白血病・骨髄異形成症候群
患者様にあった最適な化学療法や支持療法を行い、必要に応じて同種造血幹細胞移植を行います。長期間にわたる治療が必要となり、副作用対策もとても重要です。医師や看護師、薬剤師等、多職種からなるがん治療専門のスタッフがサポートします。
3. 慢性骨髄性白血病
グリベック®やタシグナ®、スプリセル®等の選択的チロシンキナーゼ阻害薬の登場により、劇的に治療実績が向上しました。これらの薬剤の内服治療により、多くの患者様が発症前と同じように社会生活を送ることができるようになっています。患者様にあわせた最適な薬剤を選択して治療します。
4. 多発性骨髄腫
ベルケイド®やレブラミド®等、数多くの画期的な薬剤が登場し、治療実績が大きく向上しています。これらの薬剤を効果的に組み合わせて、治療を行います。大量化学療法が必要と考えられる場合は、ご自分の造血幹細胞を採取し、大量化学療法後に移植する自家造血幹細胞移植療法を行います。
5. 貧血、出血性疾患
貧血を引き起こす疾患には鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、ビタミンB12欠乏性貧血、再生不良性貧血など、出血性疾患には特発性血小板減少性紫斑病や血友病など多くの疾患があり、それぞれ治療法が異なります。健康診断で貧血や血小板減少症などを指摘された方は、お気軽にご相談ください。

その他の専門領域や特殊医療

真性多血症の分子標的治療、原発性アミロイドーシス,POEMS症候群に対する集学的治療、血友病の凝固因子補充療法 など

診療実績

入院・外来統計
年度 2020年度 2021年度 2022年度
入院のべ患者数 2,709 3,427 4,251
入院件数 154 215 265
平均在院日数 (日) 17.6 15.9 16.0
外来患者数 2,279 4,460 5,610
外来新患患者数 436 579 770
造血幹細胞移植
2020 2021 2022
造血幹細胞移植 2 7 9
自家末梢血幹細胞移植 2 7 7
同種造血幹細胞移植 0 0 2
日本血液学会血液疾患症例登録
2020 2021 2022
日本血液学会血液疾患登録数 75 108 131
診断内訳
悪性リンパ腫 34 43 56
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 20 19 26
濾胞性リンパ腫 10 6 6
MALTリンパ腫 1 8 4
マントル細胞リンパ腫 0 2 2
T細胞リンパ腫 2 6 7
ホジキンリンパ腫 1 2 6
その他の悪性リンパ腫 0 0 5
急性骨髄性白血病 2 2 5
急性前骨髄球性白血病 0 1 2
急性リンパ性白血病 0 5 2
慢性骨髄性白血病 3 3 2
骨髄異形成症候群 5 12 7
真性多血症 1 1 1
本態性血小板血症 2 2 4
多発性骨髄腫 11 14 14
病的意義不明のM蛋白血症 3 4 6
ALアミロイドーシス 0 1 5
原発性マクログロブリン血症 2 2 2
特発性血小板減少性紫斑病 5 4 6
再生不良性貧血 2 2 2
サラセミア 2 2 6
その他の疾患 3 10 12
合計 75 108 132

外来医師担当表

曜日 午前 午後
中世古
柴宮
柴宮
中世古
織谷
大和田
田中
大和田
渡部
中世古
織谷
担当医
中世古
田中
中世古
柴宮
渡部
田中
渡部
織谷
渡部
田中
担当医
【特記事項】
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  • ※担当医師が変更となる場合や診療を休止する場合があります。お電話でお問い合わせください。

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