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消化器外科
教授(代表)ご挨拶
消化器外科部長、消化器病センター長
国際医療福祉大学 医学部 消化器外科学教授(代表)
板野 理
当科は、スタッフ8名全員が消化器外科学会専門医であり、特にがん治療においては、日本有数のハイボリューム施設で経験を積んだ各臓器疾患のエキスパートです。さらに当院の消化器内科、腫瘍内科、放射線科、および国内他施設と連携を組み、ロボット支援手術、血管合併切除を伴う拡大手術、化学療法、ゲノム医療、ラジオ波焼灼術、ステント治療、カテーテル治療、移植医療とあらゆる手段を駆使して、世界レベルの最善の治療を提供します。患者様が望む限り、私たちもがん治療をあきらめません。他病院で手遅れと断られた患者様もいつでも相談にいらしてください。セカンドオピニオンも積極的に受け入れています。
診療概要
当科では、食道、胃、腸、肝、胆、膵などの良性から悪性まですべての消化器疾患およびそけいヘルニアや急性虫垂炎などに対する外科治療を中心に行います。
患者様をあらゆる角度から診て、はじめから最後まで一貫して診療にあたります。
●各臓器の専門家が、腹腔鏡や胸腔鏡、手術支援ロボットを用いた低侵襲治療から多臓器合併切除などの拡大手術まで取り組みます。
●3D‐CTなどの最新機器を駆使して術前シミュレーションを実施して、安全で確実な手術をめざします。
●国際医療福祉大学の特色ともいえる充実したリハビリテーションスタッフにより、手術直後あるいは手術前からのリハビリテーション介入を行い、早期の日常生活への復帰を最も重視します。退院後の生活環境の整備・ケアを行い、患者様が安心して治療を続けられるよう努めます。
●私たちは単に「病気を治す」ということのみでなく「患者様をよくする」ことを目標とした「トータル・ケア」をめざしています。
肝胆膵
肝胆膵疾患は、非常に多くの病気が存在し、その診断が難しいことで知られています。良性疾患である胆石症であっても、一度状態を悪化させると生死にかかわる状態となり、悪性腫瘍は予後不良である「難治癌」に分類されます。肝胆膵領域の手術は、解剖学的に複雑で極めて高度な技術が必要とされます。病気の発見時から、治療が終了するまで専門医による一貫したフォロー体制が治療成績を上げるために必須となります。
「とことん病気と戦うために」
国際医療福祉大学医学部の本院として世界先端の治療に取り組んでいます。血管合併切除を伴う拡大手術、ラジオ波焼灼術、ステント治療、カテーテル治療、肝移植とあらゆる手段を国際医療福祉大学グループそして慶應義塾大学外科とのネットワークのもとに駆使し、最後まで肝胆膵疾患と戦います。
「可能ならば低侵襲で」
高度な技術を要し、行っている施設の限られる肝胆膵疾患に対する腹腔鏡手術を手掛けています。日本内視鏡外科学会技術認定医そして肝臓内視鏡外科研究会理事、膵臓内視鏡外科研究会世話人である担当の板野医師は、腹腔鏡下の肝胆膵手術では、日本有数の症例経験数を誇っています。
上部消化管
当院を受診される食道がん、胃がんの患者さまへ
がんの進行度、年齢や併存疾患の有無に関わらず、個々の患者さまに合った最良の医療(手術、内視鏡治療、薬物療法、放射線療法、緩和医療)を提供させていただきます。
当院は各診療科(消化器外科・消化器内科・腫瘍内科・放射線科・緩和医療科)のプロフェッショナルがそろっており、食道外科専門医準認定施設および日本胃癌学会認定施設Bに認定されています。
当チームの特徴
1.からだに負担の少ない安全な手術
2.手術後の早期回復にむけた先進的な取り組み
3.経験豊富な食道・胃の専属の常勤スタッフが3名
1. からだに負担の少ない安全な手術
きずが小さい手術(低侵襲手術:胸腔鏡・腹腔鏡手術[ロボット支援下手術を含む])を積極的に実施しています。進行がんに対しても安全性が確保できると判断した症例では実施しています。きずが小さいと美容面で有利なだけでなく、早期の回復が期待できます。
より安全性が高い術式を採用しています。国内のガイドラインで疾患ごとに標準とされる手術方法はある程度決まっていますが、吻合方法(食道や胃などの消化管をつなぎ合わせる方法)などは施設や術者の裁量に任されています。当チームではこれまでの臨床経験や学術論文などの客観的な指標をもとに検討し、個々の症例に対してより安全性が高いと思われる術式を選択しています。
例:食道がんに対するCollard変法を用いた安全な頚部食道胃管吻合
Collard変法は従来法よりも吻合部(つなぎめ)の径を広く保てるので、術後の吻合部狭窄(狭くなること)のリスクが低いのが特徴です(Hirano, Daiko, et al. Totally mechanical Collard technique for cervical esophagogastric anastomosis reduces stricture formation compared with circular stapled anastomosis. World J Surg 2020)
例:ハイリスクの食道がん症例に対する二期分割手術
80歳以上などのハイリスク症例では術前に胃ろうを造設して、手術を一期目(食道切除、食道ろう造設)と二期目(胃管再建術)に分けて実施することがあります。
2. 手術後の早期回復にむけた先進的な取り組み
食道がんや胃がんの手術後には肺炎や縫合不全などの合併症をきたすことがあります。合併症が発生すると入院期間が長くなるだけでなく、退院後の回復具合にも影響を与える可能性があります。当院では東京大学・慶應義塾大学・国立がん研究センター中央病院と共同でDPCデータベースという全国規模のビッグデータを用いて、術後合併症のリスクを最小化するための様々な周術期管理(手術前から手術後の治療的サポート)を研究し、その成果を国内学会・メディアのみならず世界のトップジャーナル(米国や英国の一流外科医学雑誌)で発表しています。
当チームの日常診療にもその成果をいち早く導入し、非常に良好な成績を残しています。例えば、当チームで手術された食道がんの患者さまは全国の平均的な施設よりも11日間早く退院(回復)されており、全国でもトップクラスです。
当チームでは「術後の痛みを十分に取り除くことは患者さまの権利」と考えています。そのため、手術のきずを小さくするだけでなく、手術直後から複数の鎮痛法を併用することで、患者さまから好評を得ています。また術後の痛みを積極的に取り除くことで、早期のリハビリが可能となり、早期回復につながっていると考えています。
3. 経験豊富な食道・胃の専属の常勤スタッフが3名
当チームには食道・胃の専属の常勤スタッフが3名おり、がんの手術では常勤スタッフが必ず2名以上参加する体制で手術のクオリティーを担保しています。3名とも日本食道学会(うち2名は評議員)、日本胃癌学会、日本内視鏡外科学会のメンバーで、日本外科学会および日本消化器外科学会の専門医(うち2名は指導医)です。
当チームで診療している主な疾患
下部消化管
大腸癌を中心に潰瘍性大腸炎やクローン病などの外科的治療を要する疾患を対象に、原則すべての症例に対して腹腔鏡手術を行っております。
また、直腸癌に対しては、術前化学放射線療法を組み合わせることで、治療成績の向上や肛門温存に努めており、2018年4月に保険収載されたロボット支援手術も積極的に取り入れ、常に最新かつ最良の医療を提供することを目標としております。
加えて、痔などの肛門疾患に対しても専門医が行う外来を開設し、下部消化管に関するすべての疾患に対して専門医による安全かつ至高の医療を提供いたします。
減量・代謝改善手術チーム
当院の糖尿病・代謝・内分泌内科を受診して、肥満症・糖尿病に対する外科的治療が望ましいと判断された場合、当院で減量・代謝改善手術を受けていただくことができます。
代表的な病気と治療
肝臓の病気
胆道の病気
膵臓の病気
胃・食道の病気
大腸・直腸の病気
肛門の病気
ヘルニア
手術実績
2022年 | 2023年 | 2024年 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
術式 | 総数 | 鏡視下手術 (うちRobot) |
総数 | 鏡視下手術 (うちRobot) |
総数 | 鏡視下手術 (うちRobot) |
食道癌切除再建術 | 8 | 8 | 13 | 13 | 10 | 10 |
食道癌 | 5 | 12 | 7 | |||
食道胃接合部癌 | 3 | 1 | 3 | |||
胃切除 | 32 | 24 | 39 | 32 | 42 | 39(5) |
胃癌 | 26 | 29 | 34 | |||
食道胃接合部癌 | 1 | 1 | 1 | |||
結腸切除 | 76 | 61(13) | 86 | 70(40) | 96 | 77(41) |
結腸癌 | 60 | 71 | 72 | |||
直腸切除・切断術 | 47 | 44(42) | 45 | 43(38) | 33 | 31(28) |
直腸癌 | 44 | 45 | 32 | |||
肛門管癌 | 1 | 0 | 1 | |||
肝切除(胆管切除あり) | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 |
肝切除(胆管切除なし) | 39 | 35(10) | 39 | 33(14) | 39 | 34(14) |
肝細胞癌 | 14 | 8 | 9 | |||
転移性肝癌 | 17 | 23 | 25 | |||
胆道癌 | 8 | 7 | 1 | |||
膵切除 | 16 | 5(5) | 20 | 3(2) | 31 | 8(6) |
膵癌 | 9 | 13 | 22 | |||
胆道癌 | 4 | 5 | 2 | |||
胆嚢摘出術 | 94 | 88 | 104 | 101 | 103 | 100 |
急性胆嚢炎 | 15 | 25 | 23 | |||
虫垂切除術 | 32 | 32 | 33 | 33 | 46 | 46 |
鼠径ヘルニア根治術 | 90 | 70 | 112 | 84 | 125 | 89 |
痔核・裂肛・痔瘻 | 65 | 0 | 95 | 0 | 108 | 0 |
その他の手術 | 93 | 60 | 122 | 67 | 153 | 87 |
専門外来のご案内
外来医師担当表
曜日 | 午前 | 午後 | ||
---|---|---|---|---|
初診 | 再診・専門外来 | 初診 | 再診・専門外来 | |
月 | 石田 | 石田(大腸・肛門) 島田(食道・胃・ヘルニア) |
島田 | 島田(食道・胃・ヘルニア) 石田(大腸・肛門) |
火 | 平野 | 平野(食道・胃・ヘルニア・肥満症) 大山(食道・胃・ヘルニア) 皆川(胆石) |
大山 | 大山(食道・胃・ヘルニア) |
水 | 鶴田 | 鶴田(大腸・肛門) 板野(肝・胆・膵)第1,3,5週 大山(食道・胃・ヘルニア)第2,4週 |
鶴田 | 鶴田(大腸・肛門) |
木 | 篠田 | 篠田(肝・胆・膵) | 皆川 | 皆川(肝・胆・膵) |
金 | 板野 | 板野(肝・胆・膵) 鶴田(大腸・肛門) 川原(大腸・肛門) |
菅原 | 菅原(肝・胆・膵) 鶴田(大腸・肛門) 平野(食道・胃・ヘルニア・肥満症) |
土 | 担当医 (交代制) |
担当医 | 担当医 (交代制) |
担当医 |
【特記事項】
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- ※担当医師が変更となる場合や診療を休止する場合があります。お電話でお問い合わせください。
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当科では、NCD(一般社団法人 National Clinical Database)における外科手術治療情報データベース事業に登録しております。
NCDとは、外科医の適正配置、質の向上、外科専門医のあり方、外科手術の体系的把握を目的に、専門医制度と連携した外科症例登録を行うものです。
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