診療科・部門のご案内

脳神経外科

脳血管内治療スタッフだより

めまいについて

脳神経外科外来を受診される患者さんででしばしば見られる症状としてめまいがあります。
めまいは救急外来を受診される患者さんも多いものです。めまいが生じると、脳になにか起きたのでは、と思われることが多いかもしれません。
亀田メディカルセンター神経内科部長・福武敏夫先生の御著書「神経症状の診かた・考えかた 第二版」によりますと、少々意外に思われるかもしれませんが、めまいのなかで神経系疾患の占める割合は11.2%、脳血管障害はさらに少なく4%ほどです。
めまいの原因としてもっとも頻度の高いものは、やはり耳鼻科領域に関するもので32.9%、次に心循環器系21.1%、呼吸器系11.5%と続きます。
耳鼻科領域で最も多いめまいとして、頭位変換性めまいとメニエル病があります。
前者は聴覚に関する症状はなく、同じ動作をくりかえす、頭を動かしたときなどに生じます。
耳鳴、難聴、耳閉塞感などを伴うとメニエル病の場合が多いです。これらはなかなか軽快をみず繰り返すこともありますが、生命に危険を及ぼすことはありません。
しかし、全体として15%が危険なめまいとされています。さらに年齢が上昇し、50歳以上の場合はその危険性は高くなります。
神経疾患を疑う危険なめまいとしては、強い頭痛を伴っている場合、前回お示しした顔面(F:fast),手(A:arm)の麻痺、言葉の障害(S:Speech)などの症状がある場合、これらはすぐに受診が必要なめまいです。
いずれにしても、ご高齢の方でめまいが持続する場合、やはり注意するに越したことは無く、早めに受診したほうがよいでしょう。

第8波とともに脳卒中にも注意を

新型コロナ肺炎流行期になり、年末年始にかけてピークを迎える様子です。
さて、それに対する予防対策はますます重要ではありますが、ぜひ脳卒中にも注意しましょう。
前回も触れましたように、症状の早期発見が大事です。
繰り返しになりますがその症状とは、顔面(F:fast)、手(A:arm)の麻痺、言葉の障害(S:Speech)でご判断いただき、あわせてその時刻(T:time)を確認してください。
FASTと覚えましょう。FASTはもともと米国脳卒中協会にて作成された標語で、それを日本脳卒中協会が我が国に取り入れたものです。

さらにもう一点重要な症状に視力障害があります。とくに急に目が見えなくなった、見にくくなった場合に注意しましょう。
目そのものに問題がある方は当てはまりませんが、とくに思い当たる事も無く、突然片方の目がみえなくなり・・・これは脳梗塞の前触れの可能性が高くなります。

もう1つ大事なこと。それは上記症状が一時的、つまりあとかたもなく消失する場合があることです。それは一過性脳虚血発作といい、まさしく脳梗塞の前触れです。
普通に生活しているなかで上記症状が無くなった場合、自身で勝手に治ったと判断し、医療機関を受診しないことがあります。
症状がよくなっても必ず医療機関を受診してください。
脳梗塞は予防が第一。いちど脳梗塞が生じますと、多くの方は重い後遺障害が残る、あるいは命にかかわるなど重篤な状態に陥ります。
そうなる前に治療することが肝要です。一過性脳虚血発作の段階で適切な治療を行う必要があることを今一度ご理解ください。

脳血管障害について

秋深まり、肌寒く感じる時が多くなりました。
秋は、味覚・旅行・芸術・・・いろいろ楽しみがある反面、私は「脳卒中シーズン」のはじまりと感じます。
特に寒暖の差が大きい日には脳卒中の発症するリスクが高くなると思います。
発症する季節、週間変動について調べた研究があります(*)。
この論文によりますと、まず週間変動では脳梗塞(アテローム血栓性梗塞、心原性脳塞栓症)は金曜日に発症が多く、日曜日・月曜日で少なかったということです。
特に、65歳未満では有意に金曜日に多く発症しており、65歳未満の壮年の方は週末の飲酒が多い、ということと関連も否定できないと考察しています。
週末は気をつけましょう。季節変動では3~5月を春、6~8月を夏、9月-11月を秋、12月-2月を冬とすると、脳出血はやはり冬に多いとのこと。
その他の脳梗塞についてはラクナ梗塞は65歳以上で夏・秋に多い傾向でした。

これら脳血管障害の発生を防ぐには、なにより日頃の生活習慣が大事です。幸い、脳出血は減少傾向にあり、これは高血圧をはじめ、各種の危険因子が適切に治療されかつ管理されるようになっており、かつ生活習慣が改善してきたためと考えられています、 とはいえ、まだまだ発症件数は無視できません。生活習慣については常に気をくばりましょう。

さて、万がいち症状が出現した時、症状の早期発見が大事です。
顔面(F:fast)、手(A:arm)の麻痺、言葉の障害(S:Speech)などでご判断いただき、あわせてその時刻(T:time)を確認してください。
なにより、症状があった場合にはすみやかに救急を呼ぶなど病院への受診をお勧めいたします。
*福田倫也ら著「脳血管障害発症の週間及び季節変動」脳卒中21巻: p291-296, 1999年(日本脳卒中学会機関誌より)

脳卒中ケアユニット開床のおしらせ

すでに当院のwebサイトでアナウンスしておりますように、待望の脳卒中ケアユニットが開床となりました。これで脳卒中診療がいっそうパワーアップします。
まず4床からスタート、まもなく6床に増床します。
脳卒中ケアユニットとは。以下、脳卒中治療ガイドライン2021より抜粋します。
「脳卒中急性期症例は、多職種で構成する脳卒中専門チームが、持続したモニター監視下で、集中的な治療と早期からのリハビリテーションを計画的かつ組織的に行うことのできるstroke unit(SU)で治療することが勧められる:推奨度A エビデンスレベル高」

とくに脳卒中急性期は神経症状をはじめ、呼吸・循環、消化器、内分泌・代謝など多方面に変動を来す場合が多いのです。
それに対応するため、看護師、リハビリテーション療法士、さらには回復期まで一貫したシームレスな対応をすべく、ソーシャルワーカーなど多職種からなる専門チームを立ち上げたところです。

5月26日地域症例報告会が開催されました

近隣の病院やクリニックの先生方と紹介患者さんのケーススタディをを行うものです。
当院には多くの患者さんが紹介されてくるわけですが、よりよい病診連携を行っていくための情報交換です。
コロナ禍のためZoomでの会議で、脳神経外科から私と小野田先生、脳神経内科から平先生が発表しました。
そこで機械的血栓回収術を行った患者さんの報告をしました。
機械的血栓回収術とは急性期脳梗塞に対するカテーテル治療です。
心臓で血栓が生じてそれが脳へと流れ、脳の血管がつまって生じる脳梗塞、これを心原性脳梗塞といいますが、近年この疾患は、寝たきりや亡くなられている方が多く予後不良な疾患でしたが、機械的血栓回収術によって社会復帰できる方もでてきました。
そのためには、正しい抗血栓薬(血液をさらさらにする薬)や、症状の早期発見が大事です。
顔面(F:fast)、手(A:arm)の麻痺、言葉の障害(S:Speech)の有無と合わせて、その時刻(T:time)を確認してください。
FASTと覚えましょう。正しい生活習慣も大事です。

新年度が始まりました

2022年4月です。
今年、多く新人の入職があり、それぞれのキャリアが始まりました。
しかし、ここは新しい巨大病院、各人不慣れで不安は大きいと存じます。
しかも、開院2年目、かくいう私も昨年赴任したばかり。ここは発展途上ということになります。
そして、医学、看護、薬学など、各分野はそれとは無関係に日進月歩、あたらしい知識・スキルは増加の一途。
それを支える医療体制は複雑化するばかりで、各位不安になって当然でしょう。
ここで「ネガティブケイパビリティ」という言葉があります。不確実・不安定な事態、それをそのまま受け入れ耐え忍ぶ能力を言うそうです。
私のアドバイスとしては「時がすべて解決する」ということです。
ここで「時」とは、人が勝手にきめるスケジュール的なものとは違う意味です。
時の流れとは不思議なものです。今理解できなくとも、時が経ってわかってくることがあります。
わからない事は、わからないまましばらく放置しておくのも手です。
大事なのは、常に学び続ける事。続けると言う事は、挑戦すると言うことにつながり、さらにはそれぞれ独自の創造と言うことにつながるのです。
「時」はより本質的な生命の働きで、生命はこれを最大の味方としてきたことを忘れないでください。
さあ皆様、それぞれに「ネガティブケイパビリティ」を発揮してください。

オリンピックについて

スタッフだよりでオリンピックの話題はどうかと思いますが、羽生結弦選手、前人未踏の4回転半ジャンプを成し遂げ転倒、彼の言葉「努力は嘘をつく、しかし無駄にはならない」と言う言葉があるそうです。
これは単純な慰めを言っている訳ではなさそうです。
ただ、努力の大多数は無に帰する、という意見もあるでしょう。
それを無駄にはならないと言い切るのが彼の真骨頂でしょうか。
私自身そこまで言い切る努力をしているかどうか、反省しているところです。
ところで、救急車の収容不能事例がまことに残念ながら続出しており、コロナ流行はまったく新局面に入ったといえます。 ここでこそ自分にできることをますます努力したい、と思います。

学会発表

さて、年明け早々学会発表の準備に追われていました。
いずれもweb参加で当院からも複数の演題を発表し無事に終了しました。
当初、現地参加の予定でしたがコロナまん延状況によりそれはできなくなりました。
コロナ禍では参加できないという欠点の反面、会場に行かずとも仕事の合間にwebを通じ聴講が可能となります。これは便利であり、コロナ禍の利点の1つと言えましょうか。
新型コロナ肺炎の患者さんが急増し、診療はこの対応へとシフトせざるを得ませんが、救急の受け入れは当院の持てる医療資源を総動員し、今後も断らない救急を第一に考え、地域の要請に応えるべく励みたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。

師走です

今年もあとわずかとなりました。4月に着任してから血管内治療の現場では、医師、看護師、放射線技師が一丸となって現場の整備を進めております。なかでもオンコール体制の構築、これは働き方改革を見据えたものである必要があり、慎重に検討しています。血管内治療にかぎらず職場のコンセプトはいつも同じです。医師、コメディカルすべての人がそれぞれの能力を発揮し、少しずつステップアップし、良いキャリアを形成していくこと、また安心して勤務に励めることです。
今後も「人を育てること」「人に育てられる」施設とするべく、いっそう励んでまいります。
来年もよろしくお願いいたします。

第37回日本脳神経血管内治療学会学術総会に参加しました

11月25日から3日間、第37回日本脳神経血管内治療学会学術総会が福岡で開催され1年ぶりに参加しました。
例年に比べて参加者は少なく、全体でみると静かな会であったという印象です。
それでも随所で活発な議論がなされ、われわれも勉強になり有意義な会でした。
当院からは3演題を発表しました。注目されたのは、新型コロナ肺炎流行期で脳卒中診療が影響を受けたことについての発表でした。そもそも当院は2020年3月コロナ流行期、開院を1ヶ月繰り上げて新型コロナ医療の前線に立つべくオープンしたという経緯があります。
こうしたウイズ・コロナのなかで、脳卒中診療の立ち上げは脳神経外科、脳神経内科、リハビリテーション科の3科合同で行われ、さまざまな困難がありました。
ところで、コロナ流行期には脳卒中患者は減少した、という全国調査などの結果があります。しかし、現場にいる私どもの感覚では、 特に緊急事態宣言下では、応需要請はむしろ増加したという真逆の印象でした。そして、脳卒中や頭部外傷患者がとうとう受け入れ困難となり、お断りせなばならなくなったという事態が生じ、忸怩たる思いをした記憶は忘れられないものです。
これらを教訓にし、どのような事態にも対応できるよう、今後もよりよい体制の構築に励んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

市民公開講座では多数の御出席をいただきありがとうございました

先週(10/16)に開催した当科の市民公開講座では多数の御出席をいただきありがとうございました。
私は「脳卒中その2」と題し「脳動脈瘤」のお話をしました。「年間破裂率」などわかりにくい内容もあったかと思います。
限られた時間では内容をお伝えしにくい面もあり、これらについては、またの機会にご説明しましょう。
当科では脳動脈瘤に限らず、さまざまな脳血管疾患について診断治療を行っておりますが、特に診断過程が重要であり、そのためには脳血管造影検査は最も大事な検査です。これは検査を習熟したスタッフによって行われ、その結果は多数の専門家によって検討したあと、最適の治療をご提案いたします。どうぞご安心して脳血管造影検査をお受けください。

涼しく過ごしやすい日々になりました

今回は、この9月よりグループの関連施設である国際医療福祉大学熱海病院に赴任された糸川博先生のご紹介です。糸川先生は血管内治療の指導医で術者として経験症例が多数あり、私の古くからの友人でもあります。
そのお人柄や実績はよく存じており、今回われわれのチームに加わっていただくことになりうれしく思っています。
急性脳卒中の画像診断では先進的な業績をお持ちであるとともに、これまで後進の育成にも励んでおられ、多くの専門医の指導を行ってきております。
これで国際医療福祉大学グループでは、指導医2名、専門医2名体制となり、定期的カンファレンスにて情報共有を進めることで、診療内容が質・量とも一段と戦力アップすることになりました。今後ともどうぞよろしくお願いします。

残暑お見舞い申し上げます

8月21日第20回NPO法人日本脳神経血管内治療学会 関東地方会学術集会が開催されました。
当院からは田中先生・道脇先生が計3演題をweb参加で発表しました。
さらに今回の会のテーマ「チーム医療とスタンダード手技の成熟」、チーム医療について医師・メディカルスタッフから多くの発表があり、たくさんの学ぶことがありました。
当科においても新型肺炎蔓延下における脳卒中急性期の診療のため、さらなるブラッシュアップに励んでいきます。

日本脳神経血管内治療学会専門医試験に1名合格

難関とされる日本脳神経血管内治療学会専門医試験に当科から1名が合格、血管内治療はこれで専門医3名(そのうち1名指導医)体制となり、緊急の対応が今まで以上に強化されます。栓回収術など緊急を要する治療に対するブラッシュアップも日頃から行っています。
7月17日(土)には脳神経外科の市民公開講座を行い、私は脳卒中のお話をします。

2021年4月1日赴任しました

当院に赴任し2ヶ月の5月末日現在まで、すでに予定手術2件、緊急手術15件ありました。いずれも合併症無く、無事に終了しました。

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●一般診療のご予約・変更(予約センター)
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(月曜日~土曜日 8:30~17:30 ※祝日は除く)

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