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救急科

ERスタッフ便り

救急科の医師たちによるインフォメーションのページです。

Q&A

Q 病棟管理で指導医と看護スタッフの板挟みになっています。
できる研修医になるためにどうしたらいいですか?

A まず大変な病棟管理をありがとうございます。患者さんの負担と看護師との調整も素晴らしいと思います。
指導医の立場からすると、朝の回診で決めたことが実行されていない、ということはとても悲しいものです。
なぜなら次の一手を考えているときには朝回診でのプランが実行されている前提だからです。
もし看護師さんからの提案で、朝の回診で決めたプランを変更した。ただ、指導医にはそのことを夕方まで知らせなかった。
とすると、医療安全での配慮、極めて明快な論理性、科学的エビデンス、などがあると、指導医も納得するのだと思います。
私も含めみんな悩みつつ病棟管理をしているかと思います。ただ、チームが信頼を持って診療するには、上記のような点に注意して、一つ一つのか決断から学んで行くことが良いかと思います。 応援しています。

救急科部長・志賀隆教授からのインフォメーション

第1回目は、救急科部長・志賀隆教授からのインフォメーションです。

救急隊の方が、交通事故で首を固定するカラーをつけてくれますが、病院ではどのようにして頚椎カラーを外しているのでしょうか?
頚椎カラーを外す基準は「骨折を疑われるか?」ということに密接に関係します。我々がどのような基準で骨折を疑うかについてお伝えします。骨折を疑い、頚椎X線やCTを撮影する基準として、米国のNEXUS基準とカナダのCanadian C-spine基準が知られています。
どちらも良い基準なのですが、今回は「NEXUS基準」についてご説明します。
NEXUS基準は2000年にホフマンらによって発表された基準で、主に下記の5項目から構成されています。

  • 意識障害なし
  • 頸部正中の圧痛なし
  • アルコールや薬剤の影響なし
  • まひやしびれなどの神経局在所見なし
  • 頸部の疼痛から注意をそらすほどの痛みの他の部位の外傷なし

上記5項目すべてにおいて「なし」であれば、99%の確率(感度)で手術などの介入を必要とする頚椎外傷の可能性がないと考えることができます。

ただし、除外基準として
・鋭的外傷(ナイフなど)の患者
・外傷とは関係のない理由によって撮影された患者
などが挙げられますので、その点は気をつける必要があります。

特に若い方では首のCTを撮影すると甲状腺に被爆をしてしまう危険性があります。安心のためにCTを撮る場合もありますが、撮影しなくても安心できる場合がありますので、患者さんと医療者がよく話し合う必要があると考えています。

参考文献:
N Engl J Med. 2000 Jul 13;343(2):94-9.
Validity of a set of clinical criteria to rule out injury to the cervical spine in patients with blunt trauma. National Emergency X-Radiography Utilization Study Group
考えるER -サムライ・プラクティス- 2014年CBR社

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