成田バースセンター/産科 「出生前診断外来」について
当院は日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会による新型出生前診断(NIPT)実施の認証を受けた基幹施設です。
高年妊娠で心配な方、上のお子様に先天異常があった方などを含めて、胎児の異常に関して心配な妊婦さんは当院の「出生前診断外来」でご相談ください。
当院の「出生前診断外来」の特長
当院では、出生前診断外来(毎週水曜日・午後)で遺伝カウンセリングおよび超音波検査による胎児精密検査を行っています。出生前診断に関する専門的技能を有する医師が、初診時に超音波検査の結果に基づいて遺伝カウンセリングを行います。このアプローチにより、それぞれのご夫婦・カップルにとって追加の検査(NIPTや血清マーカー検査)を受けるべきかどうかのより良い判断が可能となります。超音波検査による、精密に胎児の状態を把握する最初のタイミングとして、妊娠11~13週が最も良いとされているため、その期間に受診いただくことをお勧めしています。ただし、妊娠14週以降での受診となった場合であっても対応させていただきます。
先天性疾患について
生まれて来る赤ちゃんの100人中に3~5人ほどは先天的な疾患をもって生まれてきます。また、先天的な疾患の原因の一部である染色体の数的異常(13、18、21トリソミーなど)については高年齢の妊婦さんでその確率が高くなることから、そのことに不安に感じている方もいらっしゃいます。専門的な超音波検査や遺伝学的検査(NIPTや血清マーカー検査)によって異常が確認されなければ、そうした不安の解消につながります。また、出生前に疾患(障害)が分かった場合には、その後の対応および出生後の治療への準備につなげられます。
出生前診断について
出生前診断は、妊娠中に胎児の先天性疾患の有無を調べる検査のことをいいます。
出生前診断の主な目的は、出生前に胎児の状態や疾患等の有無を調べておくことにより、生まれてくる赤ちゃんの状態に合わせた最適な分娩方法や療育環境を検討し準備できることです。しかし、出生前診断ですべての先天性疾患が見つかるわけではありません。また、胎児期に治療のできる疾患は決して多くはないということも理解しておくことが重要です。
出生前診断は、全ての妊婦さんが必要ということではありません。実際に、「妊娠中は先天性疾患のことを知らずに過ごしたかった」と出生前診断を受けたことを後悔する方もおられます。そのため、出生前診断を受けるかどうかについては、納得できるまでパートナーやご家族と話し合ったうえで決定することが大切です。また、出生前診断を受けるうえでは、胎児に異常が見つかった場合の心の準備についても事前に考えておくことが大切です。
当院で実施している妊娠中の赤ちゃんの先天的異常を調べる検査の種類とその特長
非確定的検査(非侵襲性検査) |
確定的検査(侵襲性検査) |
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超音波検査 |
母体血清マーカー検査 |
NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査) |
羊水染色体検査 |
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実施可能時期 |
11-13週 |
15-18週 |
11週以降 |
15-16週以降 |
対象となる先天疾患 |
13, 18, 21トリソミー |
18, 21トリソミー |
13, 18, 21トリソミー |
染色体の数、構造の異常 |
検査内容 |
超音波検査(NTなど) |
採血のみ |
採血のみ |
羊水穿刺 |
21トリソミーについての検出率(感度) |
NT:60%程度鼻骨や他の形態的な所見の組み合わせにより検出率が高まります。 |
80% |
99% |
99.9% |
結果の出方 |
構造異常のある・なし |
異常の確率と 陽性・陰性判定 |
陽性・陰性・判定保留 |
染色体の写真・核型 |
検査の特徴 |
染色体疾患以外の構造異常もわかる |
偽陽性が多い |
陰性的中率が高い |
流産リスクがある(0.3%) |
当院での検査費用 |
約1万円 |
約2万円 |
約8万円 |
約13万円 |
- ※これらの検査費用に、遺伝カウンセリング料5,000円が追加されます。