ご紹介受診、およびセカンドオピニオンなど随時受けております。
受診をご希望の場合は、かかりつけの主治医のご紹介状および、CT・レントゲンなど画像をご用意のうえ、予約センター(0476-35-5576)までご連絡ください。
慢性偽性腸閉塞の診断や腹部膨満症状で困っている患者様が当院で可能な検査
慢性偽性腸閉塞症CIPOは大きく分けて小児期発症の病気と大人になってからの発症の2つの種類があるようです。このコーナーでは成人発症のCIPOについて、一般の方向けに解説いたします。
MRIとはMagnetic Resonance Imaging(核磁気共鳴画像法)の略で、磁気を利用して生体の断層写真を撮ることができるものです。同様に生体の断層写真を撮ることができるCTは若干の放射線被曝を伴いますが、MRIは被曝を伴わないというメリットがあります。また任意の断層像を得られるという特長があります。これまでCTやMRIは臨床の現場で数多く利用され、医学の進歩に大きく貢献してきました。近年このMRIの分野でシネMRI(cine-MRI)という技術が非常に進歩してきており、多くの脚光を浴びるようになりました。通常のMRIは瞬間的な「静止画」ですが、シネMRIはいわば「動画」であり、一定時間の内臓の動きを映画(シネマ)のように動画としてとらえることができます。このシネMRIを腸管に応用することで、特に小腸の蠕動運動(内容物を先に送ろうとする腸の動き)や胃の運動、腸管の拡張程度、癒着、腸管内容物などが非常に詳細に分かるようになってきました。シネMRIは数分で検査を終えることができ、また放射線被曝もないため非常に低侵襲な検査法であります。また保険診療が可能です。我々が行っている方法は造影剤を使用せず16秒の息止めを患者様にしていただき、その間の腸管の運動を観察するものです。
A:健常な人のシネMRI像
B:CIPO患者のシネMRI像(拡張があるタイプ)
C:CIPO患者のシネMRI像(拡張のないタイプ)
通常大腸は20分に1回程度の蠕動だけですが、一方小腸は10-20秒毎に蠕動して内容物を絶えず輸送しています。Aは健常人の小腸の一部で小腸の拡張を認めず、さらに16秒間の撮影期間中に活発な腸管の収縮拡張運動を認めます。一方BはCIPOの患者様の画像ですが、16秒の間に腸管の運動は全くなく、また内容物が停滞するためAと比べて腸管径も著明に拡張しています。なおCもやはりCIPO患者様の小腸ですが、拡張ははっきりとは認めないものの運動は正常例を比較すると非常に緩慢なのが分かります。我々はこれまでシネMRIを用いてCIPOの患者様の小腸と健常者の小腸の動きを比較し、CIPOの小腸の動きが非常に低下している事を明らかにしました。シネMRIは簡便なうえにほぼ全小腸の運動を観察でき、腸ろうの造設の際や、治療前後での比較など今後活用が期待されます。
シネMRIを行う際のポイント
シネMRIを行う際の注意点
ただし通常のMRIと同様、
は撮影することができませんので注意が必要です。
その他ご不明な点がありましたらお気軽にご相談ください。